山梨県宿泊・居住跡系 心霊スポット

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山梨県の心霊文化

富士山と南アルプスに囲まれた山梨県は、霊峰の影が深く落ちる甲斐武田の旧領である。富士五湖周辺に点在する廃業旅館の代名詞・廃ホテル藤屋旅館、明治以来多くの命を呑み込んできた旧笹子トンネルと現笹子トンネル——御坂峠の濃霧、青木ヶ原樹海の静寂、そして武田滅亡の落人伝承が、富士の威容と共に山国の闇を今も色濃く保ち続けている。

宿泊・居住跡という場所

廃旅館や廃ホテルは、無数の他人が一夜の眠りと欲望を残していった「念の貯蔵庫」である。家主の急死、廃業、長期滞在者の執着が、色褪せた壁紙や朽ちた寝具に沈殿する。誰のものでもない部屋ほど、誰かの気配で満たされている。

山梨県 北杜市·宿泊・居住跡

ホテル キャデラックハウス

山梨県北杜市高根町清里、八ヶ岳山麓の高原地帯に建つ廃ホテル。1985年4月、アメリカ製の高級車キャデラックを展示する博物館として開業し、半地下の展示室と併設のディスコが人気を集めた。1989年にはホテルへと改装され、客室棟とプールラウンジを備える施設に生まれ変わり、元プロ野球選手が経営に関わっていたとも伝えられている。清里高原の観光ブームが最高潮だった頃には週末ともなると満室が続くほどの盛況ぶりを見せたが、都心から遠い山間の立地もあって、バブル崩壊とともに観光ブームが終わると客足は急速に途絶え、1990年代半ばには経営が行き詰まった。1999年に競売へ出された際、落札者が当時社会を騒がせていた宗教団体の関係者だったことが判明し、周辺の住民や観光業者の間で反対運動に発展、最終的には無関係の一般企業が引き継ぐこととなった経緯も残る。以後、所有者が替わりながらも施設の再生は進まず、老朽化が進む中で関係者以外の立ち入りは禁止されたまま、廊下や客室が崩れかけた状態で放置され続けている。こうした来歴に加え、館内では少女の霊の目撃や、机や椅子が音を立てて動くポルターガイスト現象がうわさされており、廃墟を探索する動画配信者による紹介動画が数多く公開されるなど、ネット上では心霊スポットとして繰り返し取り上げられている。

廃ホテル 藤屋旅館
山梨県 富士吉田市·宿泊・居住跡

廃ホテル 藤屋旅館

山梨県富士吉田市の北東部、富士山の北麓に広がる森林帯のなかに、廃旅館が一軒残っている。藤屋旅館と呼ばれてきた木造二階建ての小宿で、富士講と呼ばれる江戸時代以来の富士山信仰の参拝者を主な客として営業していた歴史を持つ。 富士講は、江戸時代中期から明治期にかけて関東一円に広まった富士山への信仰登拝の組織である。江戸の町人たちが講と呼ばれる集団を作って、毎年代表者が富士山頂への登拝に出かけた。北麓の吉田口は主要な登拝路のひとつで、麓の北口本宮冨士浅間神社で参拝してから、御師の宿坊や旅館で身を清めて山に向かうのが習わしだった。藤屋旅館もそうした宿のひとつとして、近代まで営業を続けた。 富士登山が大衆化し、ホテルや山小屋が整備されるに伴って、御師宿や旧来の宿坊系の宿は徐々に役目を終えていった。藤屋旅館も平成期に営業を停止したと地元では言われているが、正確な閉業年は記録に残っていない。木造建築のため雨風による劣化が早く、現在は屋根の一部に損傷、壁面のひび割れ、窓枠の歪みなどが進行している。 敷地は私有地で立入禁止である。富士吉田市はかつての富士講関連の建造物を文化資源として保存する取り組みを段階的に進めており、御師の家屋群のいくつかは市の指定文化財として整備された。藤屋旅館自体は文化財指定の対象になっていないが、富士講の宿として営業してきた歴史を示す建物として、地域の郷土史研究家による調査が行われた経緯がある。 敷地外周は山道に接しており、外観のみであれば道路から見学が可能。ただし周辺には民家もあり、深夜の訪問や私有地への立入は迷惑行為に当たる。富士吉田市は富士信仰の歴史を学ぶ目的の見学であれば、市営の御師の家「外川家住宅」(指定文化財、一般公開)を勧めている。

真田邸跡
山梨県 甲府市·宿泊・居住跡

真田邸跡

山梨県甲府市に現存する真田邸跡は、戦国時代に甲斐の武田家に仕えた真田氏の一族が居住していたとされる屋敷の遺構である。真田幸綱は武田信玄の配下として「武田二十四将」に数えられ、その子・昌幸は天文22年(1553年)7歳で甲斐へ人質として下り、武田信玄の側近衆として約20年間を甲府で過ごした。昌幸は信玄の信頼を得て足軽大将から奉行人へと昇進し、甲府での長期滞在を通じて戦国大名の統治術を学んだ。邸跡周辺は甲府の城下町整備に際して武田家臣団の屋敷地が集中した地域であり、石垣の断片や土塁の痕跡が現在も地層に残されている。この地で培われた経験は、昌幸が後年、独立した大名として信州に君臨する基盤となった。邸跡はネット上で心霊現象の報告を受けることがあるが、目撃談は一般化・形式化されたもので、実質的な根拠の確認は難しい。

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