山梨県水辺系 心霊スポット

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山梨県の心霊文化

富士山と南アルプスに囲まれた山梨県は、霊峰の影が深く落ちる甲斐武田の旧領である。富士五湖周辺に点在する廃業旅館の代名詞・廃ホテル藤屋旅館、明治以来多くの命を呑み込んできた旧笹子トンネルと現笹子トンネル——御坂峠の濃霧、青木ヶ原樹海の静寂、そして武田滅亡の落人伝承が、富士の威容と共に山国の闇を今も色濃く保ち続けている。

水辺という場所

湖沼や淵は龍神を宿す聖域とされ、同時に水底へ人を引き込む境界でもあった。入水・水難・ダムに沈んだ集落の記憶が水面下に堆積し、河童や船幽霊として語り継がれてきた。鏡のように凪いだ水面ほど、深い沈黙の中で何かを映している。

水辺·山梨県 北杜市

すずらん池

すずらん池は山梨県北杜市小淵沢町井詰原にある、標高940メートル、周囲約500メートル、水深10メートルの池である。元は農業用のため池として造られたが、平成14年(2002年)に周辺が整備され、桜や紅葉を楽しめる公園として一般に開放されるようになった。現在は北杜市観光協会小淵沢支部が管理する観光地であり、釣りは禁止されている。 一方でこの池は、怪談師の稲川淳二が「恐怖の現場2」の中で「地獄に誘う呪いの手」という題で紹介したことをきっかけに、心霊スポットとして全国的な知名度を得た。伝承によれば、かつてこの池に入水した老婆がおり、その後、水面のアシの間から老婆の霊が姿を見せる、あるいは水面から着物の袖のついた手が伸びてくるといった目撃談が伝えられている。青木ヶ原樹海や花魁淵と並んで「山梨三大心霊スポット」に数えられることもある。 また、この池では過去に複数の水難事故が発生しているとされ、水面に周辺のガードレールが映り込むことで地面と水面の境界が視覚的に分かりにくくなり、足を滑らせて転落し溺死した例が複数あったとの指摘もある。こうした事故の実態が、老婆の怪談と結び付けられて語られてきた面があるとみられる。 稲川淳二による紹介以降、動画サイトやまとめブログでも繰り返し取り上げられ、現在も心霊スポット紹介記事の中で名前が挙がることが多い。一方で近年の訪問記では、池の設備が老朽化し当時の面影が薄れているとの声もあり、心霊スポットというより静かな散策地として紹介される場合もある。

花魁淵
水辺·山梨県 甲州市

花魁淵

山梨県甲州市、国道411号旧道沿いで柳沢川に架かる淵は「花魁淵」と呼ばれ、通称は銚子滝である。伝承によれば、戦国時代末期に武田氏が滅亡した際、武田家が秘匿していた黒川金山の情報漏洩を防ぐため、金山奉行の指示で鉱山に仕えていた遊女55人が酒宴に招かれ、藤蔓で吊り上げた宴台の上で舞を披露させられた末に蔓を切られ、宴台とともに淵へ沈められて命を落としたとされる。この出来事が地名の由来と伝えられ、後年には慰霊のための堂(おいらん堂)が建立された。黒川金山は戦国期から江戸初期にかけて実在した金山で、武田家の軍資金を支えたと伝統的に語られている遺跡である(近年の研究では武田氏による直接経営には疑問も呈されている)。現在この一帯は土砂崩れが頻発する地形であることから2011年にバイパス道路が整備され、旧道は通行止めとなり現地への到達は難しい状態が続く。こうした経緯もあって、水面に女性の姿が浮かぶ、撮影した写真に異変が生じるといった噂がさまざまなメディアで紹介され、県内でも知られた場所として扱われている。

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