曽根沼
彦根市の荒神山山麓に広がる曽根沼は、琵琶湖沿岸に点在する内湖のひとつで、8世紀の史料には陸地の荘園として描かれていたが、後年沈水して沼へと変化したとされる。江戸時代には宇曽川の氾濫で沿岸の集落が水没したという伝承があり、沼底には当時の村落跡が沈んでいるとも言われる。昭和36年から進められた干拓事業によって水面はかつての五分の一程度まで縮小し、現在は釣り場としても利用されているが、その一方で短大生が水死体で発見された、小学生が溺れて亡くなった、発作を起こした釣り人が沼に落ちて溺死したなど、複数の水難事故が伝えられてきた。沼沿いの道路ではオートバイの事故死も語られている。こうした事故の積み重ねに加え、荒神山に祀られる三宝荒神が水没した集落の霊を呼び寄せているとする見方も伝わっており、沼のほとりでは女性の霊の目撃や、夜間に線香のような匂いが漂う、物音が近づいてくるといった体験が複数報告されている。

