
加古川の河川敷の人影
兵庫県を代表する一級河川・加古川は、流路延長96km、流域面積1,730km²を有し、中国山地から播磨灘へ流れ落ちる県下最大の水路である。古代から舟運と農業用水を担い、1594年より高瀬舟が荷を運んで地域経済を支えた。江戸期には河口の湊町が栄え、流域の暮らしと信仰を育んできた。加古川市の市街地を貫く区間には、堤防上の遊歩道や河川敷緑地が整備されており、散策や釣りを楽しむ人が訪れる。一方、加古川はかつて「暴れ川」と呼ばれ、度重なる洪水によって橋脚が流失し、何度も架け替えられてきた。現在、複数の橋で耐震性強化と洪水対策のための架け替え工事が進められている。流域ではこうした水との関係の中で、水難による犠牲者への供養が地域の宗教実践として定着しており、盆月には灯籠流しや川施餓鬼といった儀式が行われる地区も存在する。

