
旧阪神高速道路 六甲アイランド線
兵庫県神戸市東灘区、人工島・六甲アイランドへと延びる旧阪神高速道路の一区間は、1995年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた高速道路網の一部として知られる。発災時の倒壊や深刻な損傷を経て長期にわたる復旧工事が行われ、構造再評価や交通網の整備、利用状況の変化により段階的に役割を終え、現在は一部の構造物のみが海沿いの景観のなかに静かに残されている。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、震災発生時刻に近い未明、橋脚跡や接続部の周辺で耳を澄ますと、走行音にも似た低い唸りが瞬間的に届く、というものである。海風に紛れて遠くのサイレンの残響を聞いたと語る者、橋桁の影に人が佇むような輪郭を見たと言う者、路面の方角から金属が軋むような音を感じたと述べる者もいる。震災で亡くなられた多くの方々への、深い哀悼の気持ちが背景にある。 地元では、毎年1月17日の追悼行事を中心に、震災で命を落とされた方々への慰霊が市民や遺族の手で続けられてきた。怪異話としてのみ語ることは慎まれ、防災教育と記憶継承の文脈で受け止める姿勢が広く共有されている。 旧道の一部は立入禁止区域や私有地に含まれ、構造物は経年劣化により近接そのものが危険である。心霊目的の深夜訪問は厳に控え、震災を悼む気持ちは「人と防災未来センター」など公式の慰霊・学習施設や、東遊園地などの追悼の場を通じて表し、犠牲となられた方々への祈りと、震災の教訓を次代へ伝える姿勢を大切にすること。
