猿岩隧道(猿岩トンネル)
猿岩隧道は岩手県奥州市、胆沢川上流の岩山「猿岩」を貫く形で昭和22年(1947年)頃に素掘りで開削された全長約700メートルのトンネルである。もとは付近の山林から伐採した木材を運ぶための森林軌道の跡地で、線路が撤去された後は石淵ダムの巡視路や工事用道路として利用された。狭い道幅で車のすれ違いも難しく、暗く長い素掘りの内部は独特の圧迫感を持つ空間として知られていた。2013年4月頃、胆沢ダムの完成に伴う奥州湖の湛水によって隧道全体が水没し、以降は貯水位が大きく下がった際にのみ上部が姿を現す状態となっている。かつてこの隧道を通った人々の間では、工事中に命を落とした作業員の霊が出るという話や、内壁から無数の手が伸びてくる、通過後に車の窓へ手形が残っている、女性の声や姿が現れるといった噂が語られてきた。同乗させた女性がトンネルを抜けた後に消えており座席だけが濡れていたという話や、幽霊が自宅までついてくるという話も伝わっている。