
小田原城跡(小田原城址公園)
神奈川県小田原市に残る小田原城跡(小田原城址公園)は、戦国時代に北条氏五代の本拠として関東に勢力を誇った城の遺構である。1590年の小田原征伐では豊臣秀吉率いる大軍に包囲され、数ヶ月に及ぶ籠城戦の末に北条氏は滅亡した。明治の廃城令を経て公園として整備され、現在は復興天守や石垣、堀跡が残り、観光客の訪れる歴史公園となっている。 この地では複数の目撃談が伝えられている。園内の大木のそばで、白く煙のような輪郭をした人影が現れ、目撃者が石垣を越えて逃げると、その人影はなおも高い場所からこちらを見下ろしていた(それ以上追ってくることはなかった)という報告がある。目撃者はその人影を、かつて城を守っていた武士ではないかと推測している。また園内を訪れた一行のうち一人が急に様子を変え、後になって「落ち武者らしき人に追われた」と語ったとする話も残されている。 こうした噺は、大軍に囲まれて命を落とした城兵や領民の記憶が、復元された城郭の景観と重なり合うことで生まれたものとして語られることがある。