
中井町旧結核療養山荘廃墟
丹沢山麓に位置する神奈川県中井町の旧結核療養山荘は、戦前から戦後にかけて結核患者の療養施設として機能した廃墟。結核療養所は1930年代にかけて全国に建設され、清瀬をはじめとした療養地の形成が進みました。戦前期の療養所は「空気・安静・栄養」による自然療法に依存し、外界から隔離された山麓の静寂な環境が治療に適していると考えられていました。戦後、ストレプトマイシンなどの抗結核薬が導入されると、療養所の役割は急速に変わりました。薬物療法の有効性により入院期間が短縮され、多くの結核療養所は機能を失い、廃棟化していきました。この施設も同様の転換期を経て、やがて役目を終えたと考えられます。現在、敷地は管理されており、建物は自然に呑まれた木造廃棟として残されています。

