
岡山理科大学付近廃屋
岡山県岡山市北区津高の山間部、岡山理科大学のキャンパス近郊には、かつての別荘地や住宅地の名残として点在する廃屋群がある。高度成長期から昭和後期にかけて開発された郊外住宅地の一角で、家族の事情や世代交代、地形の険しさ、生活インフラの維持の難しさなどから次第に住み手を失い、家具や生活用品を残したまま静かに朽ちる家屋が散見される景観となっている。山林に半ば呑まれた家並みは独特の翳りを帯びる。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、薄暮の刻に廃屋の前を通ると、誰も住んでいないはずの窓の奥に人影が一瞬だけ立っているのを視界の端に捉える、というものである。庭先に静かに佇む女性の輪郭が見えた、玄関の方向から戸を引くような音だけが聞こえた、雨戸の隙間越しに視線を感じた、と語る大学関係者や近隣住民がいる。かつての暮らしの記憶が、山あいの集落跡に物語的に立ち現れている。 地元では、この一帯で長く暮らした方々や、別荘地時代に通った人々への敬意が、山林の手入れや道祖神の維持、彼岸の供養などを通じて穏やかに受け継がれている。怪異の話は揶揄ではなく、土地の暮らしを偲ぶ語り口でもある。 廃屋群は私有地であり、無断立ち入りは建造物侵入罪に問われ、床の抜けや倒壊、害虫・残置物による事故の危険も大きい。大学関係者の学修環境や近隣住民の生活への配慮が必要で、心霊目的の深夜訪問は厳に慎むこと。訪れる場合は公道から景観を眺めるにとどめ、敷地内への侵入や撮影投稿は控えるべきである。