向山洋館(跡地)
向山洋館は岡山県倉敷市の向山中腹に建てられていた宿泊施設の廃墟である。1980年前後の空撮には青みがかった屋根を持つ建物が確認されており、宿舎や保養所として使われていたとされる。営業を終えたのちは管理者を失い、周囲の樹木に覆われながら長期間放置された。廃業後まもなく、中庭で少女の霊が手招きをする姿を見たという話や、建物の一部に人の顔のような影が浮かんで見えるという話が伝わるようになり、岡山県内でも知られた心霊スポットとして肝試しの対象にされてきた。写真を撮影すると顔に見える人影が写り込む、背後で女性の笑い声が聞こえるといった体験も紹介されている。2000年代以降は森林の成長によって建物への接近自体が難しくなり、噂も次第に下火になっていったという。転機となったのは2023年ごろで、航空写真の比較調査によって敷地の様子が一変していたことが判明し、建物や門はすでに取り壊され、跡地は産業廃棄物処理関連の施設として利用されているとみられる。建物自体は姿を消したものの、かつての跡地を巡る怪異のうわさは今も一部で語り継がれている。

